僕はまた君と恋がしたいんだ 表紙

TEQUILA SUNRISE LOVE BLUES

僕はまた
君と恋が
したいんだ

心のランタンに火をつけて

歳を重ねても、心はまだ灯りを待っている。夢に出てきた君をきっかけに、もう一度、恋を思い出すための老年恋愛ブルース。

ORIGINAL SONG

♫『僕はまた君と恋がしたいんだ』

心のランタンに火をつけて。

再生・ミュート・停止は上のピルボタンでも操作できます。音量はiPhone本体の音量ボタンで調整してください。

これは、
老年恋愛ブルースである。

歳を取ると、
恋なんて卒業した気になってしまう。

白髪も増えて、
身体も少しずつ言うことを聞かなくなる。

夢なんて、
とっくに見なくなったつもりでいた。

だけど、
ある夜。

夢の中に、
若かった頃の君が出てきた。

その瞬間、
心のどこかで、
小さなランタンが灯った気がした。

目次

楽曲の一節を、目次カードに。タップすると、ウイスパーエッセイへ進みます。

01 / WHISPER
また、夢に出てきたんだ

夢というものは不思議だ。

もう何十年も前の顔を、
昨日のことみたいに連れてくる。

若かった頃の君は、
夢の中で笑っていた。

あの頃と同じ顔で。

目が覚めたあと、
しばらく天井を見ていた。

歳を取ると、
思い出は遠くなると思っていた。

だけど本当は逆なのかもしれない。

人生の後半になるほど、
昔の灯りが、
静かに近づいてくる。

小さなメモ人は、
忘れたと思っていても、
心の深いところでは、
ちゃんと誰かを想っている。
02 / WHISPER
ハニー、なんて呼んでた頃は

若い頃の二人には、
根拠のない自信があった。

お金なんか無かった。

先のことも分からなかった。

でも、
怖くなかった。

ハニー。

そんな言葉を、
照れもせず口にしていた。

今思えば、
ずいぶん青臭い。

だけど、
あの頃の無敵感というのは、
人生の宝物なのかもしれない。

小さなメモ若さとは、
身体のことではなく、
「怖がらずに愛せる力」
なのかもしれない。
03 / WHISPER
今じゃすっかり、ターリンさ

ダーリンなんて呼ばれていた男も、
今じゃすっかりターリンだ。

白髪も増えた。

老眼鏡も必要になった。

物忘れもする。

でも、
それを笑い合える相手がいるというのは、
実はすごいことなんじゃないかと思う。

若い恋には熱がある。

長い夫婦には、
味がある。

小さなメモ恋愛は、
長く続くと「熱」より、
「味」になっていく。
04 / WHISPER
笑っちまうほど歳を取った

気づけば、
身体のあちこちに、
人生が刻まれている。

シワ。

白髪。

疲れ。

若い頃みたいにはいかない。

でも、
それは負けじゃない。

ちゃんと生きてきた証拠だ。

歳を取るって、
悪いことばかりじゃない。

人の弱さに、
少し優しくなれる。

小さなメモ老いとは、
失うことではなく、
「時間が身体に残る」
ことなのかもしれない。
05 / WHISPER
コンビニ帰りの夜道でも

若い頃みたいな、
派手な恋じゃなくていい。

高級レストランじゃなくていい。

コンビニ帰りの夜道。

並んで歩く。

それだけでいい。

歳を取ると、
恋愛は「イベント」ではなく、
「安心」へ変わっていく。

小さなメモ若い頃の恋は、
どこかへ行きたかった。

歳を取ると、
「並んで帰る」
ことが嬉しくなる。
06 / WHISPER
冷蔵庫の音、スマホの灯り

渋川での単身暮らしも、
十年を過ぎた。

ひとりの夜にも、
慣れたつもりだった。

でも、
時々、
部屋がやけに広く感じる夜がある。

冷蔵庫の低い音。

スマホの灯り。

静かな部屋。

孤独というのは、
ひとりでいることより、
音が少ないことなのかもしれない。

小さなメモ人は、
音の気配で、
「生きている実感」
を保っているのかもしれない。
07 / WHISPER
喧嘩別れじゃないんだよ

人生には、
説明しにくい距離がある。

嫌いになったわけじゃない。

終わったわけでもない。

でも、
少し離れて生きている。

そんな関係もある。

人生は、
白か黒じゃない。

グレーのまま、
続いていく関係もある。

小さなメモ「終わった」
わけではなく、
「形が変わった」
だけの関係もある。
08 / WHISPER
夢の中では、君はいつでも

不思議なものだ。

夢の中では、
君はいつも若い。

時間は流れているはずなのに。

心の中には、
歳を取らない誰かが住んでいる。

そして時々、
その人が、
こちらを見て笑う。

小さなメモ人は、
記憶の中に、
「永遠の誰か」
を持っている。
09 / WHISPER
湯呑み片手に笑いながら

もう、
激しい恋じゃなくていい。

湯呑み片手に、
くだらない話をする。

それだけで、
十分幸せだ。

若い頃には、
そんなこと、
分からなかった。

小さなメモ歳を取ると、
「刺激」より、
「安心」が、
恋の形になっていく。
10 / WHISPER
心のランタンに火をつけて

人は、
歳を取ると、
夢を卒業した気になってしまう。

恋も、
ときめきも、
もう終わったことのように。

でも本当は、
心はまだ、
小さな灯りを待っている。

ランタンの火は、
消えていたんじゃない。

しばらく、
風が吹いていなかっただけだ。

小さなメモ人は、
歳を取ったから恋をしなくなるのではない。

「もう遅い」と思い込んで、
灯りを消してしまうのだ。
11 / WHISPER
シワも白髪も悪くない

若返りたいわけじゃない。

白髪のままでいい。

シワのままでいい。

その顔は、
君と生きた時間だから。

若さだけが、
美しいわけじゃない。

人生を重ねた顔には、
別の灯りが宿る。

小さなメモ老いとは、
「美しさを失うこと」
ではなく、
「別の美しさになること」
なのかもしれない。
12 / SPOKEN
また今度、会いに行くよ

大きな愛の言葉じゃなくていい。

「愛してる」
を何度も言わなくてもいい。

また今度、
会いに行くよ。

それだけで、
十分な夜もある。

人生の後半には、
人生の後半の恋がある。

静かで、
照れくさくて、
でも、
ちゃんと灯っている恋が。

小さなメモ人は最後まで、
誰かを想って生きていく。

それは、
とても美しいことだと思う。

あとがき

歳を取ると、
恋を卒業した気になってしまう。

でも本当は、
心はまだ、
灯りを待っているのかもしれない。

僕はまた、
君と恋がしたいんだ。